私と柴野氏は、さっそく都立の「工業推奨館」を訪ねて、この金属片の分光分析を依頼した。
後日、同館の松下技師により同館の「検査証明書」によると、1~10パーセントの鉛が予想外に混入しているのを検出した。
通常、アルミと鉛は合金し難いものと思っていたので、アルミ箔の大手メーカー「日本軽金属」に問い合わせたところ、同社では「アルミ箔には鉛を入れない」という解答を得た。
そこで、さらに念を押すため、東京工大の金属学教室の中村正久氏を訪ねて確認したところ、多くの資料を参照した結果、アルミに対しては0.2パーセント以上の鉛を合金することは出来ないということであった。
その直後、同大学に定量分析をお願いしていた鑑定書が届いた。それには10.9パーセントの鉛が含まれていることが明記されていた。
がぜん、私たちは色めきだった。この結果を見るかぎり、この金属片の持つ意味は革命的なものを意味した。
すなわち、「地球上の物ではない?」ということを示していたからである。正に本物であろうかと、暫くし興奮のうちに次なる対策を考えていた。
参考文献 UFOこそわがロマン 荒井欣一自分史 2000年11月3日発行 発行人 荒井欣一 18頁