宇宙平和のねがいをこめて #2

s-宇宙人03いま、荒井さんの家は、東京の五反田駅ちかく、五かいだてのビルのなかにある。四かい自宅、五かいには、「UFOライブラリー」をひらいている。日本でただ一つの、UFOの研究センターだ。

入場は無料。ただし、ひらいているのは、毎月の第二と第四日曜日。UFOにかんするそうだんにものり、ニュース誌も発行している。

こんど、わたしがおたずねしたら、1972(昭和47)年九月、高知市で子どもたちがつかまえたという、円盤の実物大模型をみせてくれた。

「学校のかえり道でね、団地の近くのたんぼを、とびまわっているのを発見して、友だちと観察し、写真をとろうちしたらしいんだけど、しっぱいした。これが八月すえのこと。

それから、こどもたちは、毎日まちつづけてね、とうとうつかまえて、しらべたんですって。おもさが、1.5キロ。直径が18.2センチだったというから、偵察用のUFOでしょうか。先生にみせようといって、ナップザックにしっかりいれて、かえったんだけど、家についてみると、ない。ザックの口のひもは、しまったままで、きえていた…。ふしぎなじけんですよ。」

荒井さんのセンターには、電話・手紙や、小学生が手書きでつくった雑誌もまじった、UFOの報告が、たくさんあるまってくる。

荒井さんたちの、日本空とぶ円盤研究会は、1957(昭和32)年に、「宇宙平和宣言」をかかげ、その活動もつづけている。

核兵器とミサイルにはんたい、そんなもので人類が絶滅してはいけない、宇宙人がやってこようというのに、はずかしいではないか、というものだ。わたしも、大さんせいだ。

UFOが宇宙機であるという証明ができるのは、いつの日かわからないけれど、宇宙平和宣言は、いつからだって、実現できるのではないだろうか。

「ことしもUFO110番といって、日をきめて、全国でいっせいに、UFOの観測をすることを計画していますよ。」

荒井さんは、まだまだ、UFOをみるというゆめを、すててはいない。(終わり)

参考文献  講談社 おはなし子ども新聞4 びっくりふしぎめぐり 日本児童文学者協会編 昭和57年7月10日 第1刷発行 68頁

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