「UFOと宇宙」で、BIG4(荒井欣一氏、南山宏氏、韮澤潤一郎氏、並木伸一郎氏)が新春スペシャル討論会と題して対談した内容が書かれています。
司会 本日はUFO研究の第一線でご活躍の4人の先生方にお集まりいただきました。最近のUFO研究の動向や79年度の展望といったことを中心に、お話しいただければと思いますが、まず最初に78年をふりかえってみたいと思います。先月号で各先生方にも参加いただいて、3大ニュースを作成してみたわけですが、スペースの関係で言い尽くせぬこともあったと思いますので…。
南山 ユニバースさんの方が締め切られてから、例のオーストラリアの飛行機事件なんかが出てきましたが、全般にはね、あまり事件がなくてよかったと思うんです。「未知との遭遇」があれだけ騒がれた、にもかかわらず、事件が目立って増えなかった。というのは、逆説的な意味で、UFO研究にとってはプラスだった。
荒井 否定論者というのは、何かキッカケがあって、大衆がそれに刺激されてげ幻想や錯覚を起こす、つまりUFOウェーブというのは、作られるものだという言い方をしますからね。
並木 ただ、みんながやはり空を見上げるようになったのか、あの映画の封切り前後に、全国的に尾を引いて飛ぶ怪光体が目撃され、3月2日にはNHK富山支局のカメラマンがキャッチして話題になりましたね。でもやはり、あれは飛行機もしくは短い飛行機雲ですね。夕方でね、太陽の光線を反射してああ見えるんで…。
荒井 そうですか、ボクはあれを何回もビデオで見たが飛行機には見えないね。もっともUFOだと断言する積極的な根拠もないんですが。一時、垂直に下降したからUFOにまちがいないなんてことも言われたけれど、よく見ると、あれはグーッと向こうへ遠ざかって行くので、そう見えるだけなんで、あまり根拠にならない。ただ、頭がものすごく大きい。ハレーションにしたって大きすぎるんで、簡単に飛行機雲と断定はできないんじゃないでしょうか?
並木 ただ福島県でああいうのがよく見えるという場所があって当会の会員が16倍の双眼鏡をもって待機してましてね、先端にはっきり機影を確認したんですよ。ですからあの2月末から3月はじめの騒動も、飛行機雲という可能性が高いわけです。(つづく)
参考文献 UFOと宇宙 ユニバース出版社 昭和54年1月1日発行通巻第42号