ダニエル・フライというロケット技師が遠隔操縦のUFOに乗ったのは、1950年だと彼の「ホワイト・サイズの出来事」54年版という66頁の小冊子に書いてあるが、この人は科学知識があるので、接触とか研磨度とか加速などという難しい問題でもかなりきわどいトリッキーな書き方をしている。
その上、一番問題は、近代物理学への懐疑というか抵抗というか、そういうものが書中に出てくることだ。たとえば、宇宙人は、そのUFOの飛行原理を理解するには我々の基礎物理学の知識を根本から変える必要があると告げている。そして「アインシュタインが物質もエネルギーも定量的に等しいという数式を発表したことは正しいが、物質がエネルギーに依頼しえるしその逆もまた成り立つという誤った結論に達した」等々のことを書いている。
こういう点では接見派の書物には多かれ少なかれ共通したした点が見られる。しかしフライの場合は、姿として宇宙人は現れておらず、宇宙人の「お告げ」も耳で聞いたのか、頭の中に直接はいったのかという点も一考に価する。それは自己催眠や、潜在意識の発露に通じるきわどいものがあるからだ。
ところが、これに対して1952年「自分こそUFOに乗った最初の人間だと信ずる」という51頁の小冊子を書いているのは、ヴァン・タッセルである。彼はもと航空機関係の技師であった。これは、フライがロケット技師であったこと、さらに後述する有名な大先輩スエーデンボルグが科学者であったことや日本の安井清隆氏が共産主義を通ったこととともに、われわれに、宇宙人よりも人間というもの不思議さを考えさせるに十分であろう。
いずれにしろタッセルは、ジャイアント・ロックという所にもっている小飛行場に「星際飛行場・円盤・航空機歓迎」という立て札を立てている。そこに軽飛行機や自動車でUFO信者たちが沢山集まっている様子が写真に出ている。(つづく)
参考文献 日本空飛ぶ円盤研究会 UFO関係記事(マイクロ写真撮影資料の一部)スクラップ記事