地軸が急に132度傾くという説を吐いたパーバー博士も、実は米国の科学者名簿にない人で弁護士だとわかったことも私の場合と似ていて、UFOの関係文書は相当用心をして読まなければならぬ教訓ともなった。
しかしスカリーの小人はある意味では偶然ではないかも知れない。なぜなればスエーデンの有名な科学者で1700年代に潜水艇や機関銃や、航空機の設計図を書いたスエーデンボルグがどうした転機か、霊能者的になりストックホルムの大火を300哩はなれたところから如実に透視したり、天国や地獄を見たりして、1766年、カントに「視霊者の夢」という一文を書かせた。カントは「視霊者のいうことは形面上学者が現象以上のものを主張するのと同じで、色々の思想世界の幻影建築家である」といっている。
そのスエーデンボルグが「月から来た小人」を書いているのだから欧米人にはそれが色々な暗示となっていたにちがいない。月が宇宙人の基地として描かれたのは、アダムスキーがスエーデンボルグのことを知っていたからかも知れないし、わが国のある宗教雑誌にも月の基地のスケッチで、宇宙人の使う万年筆のスケッチまでのせているのがあるくらいだが、しかし、スエーデンボルグ自身は、まだUFOを道具にしてはいなかった。
むしろスエーデンボルグを円盤に結びつけようとしたのは、「UFOとバイブル」という書物を書いた。ミシガン大学およびパレーク大学の先生であったというジャサップの方である。このジャサックのことは後述するとして、もう少し宇宙人をさぐって見よう。(つづく)
参考文献 日本空飛ぶ円盤研究会 UFO関係記事(マイクロ写真撮影資料の一部)スクラップ記事