今回、東京のライブラリーだけで、3月16日から月末までに300件以上の電話を受け、そのうち90件は小・中学生からの質問だった。高卒以上の人の質問は意外に少なく30件程度。内容は、目撃報告が90件、それに予想もしなかったイタズラ電話やふざけ電話が60件以上にのぼっただろう。私はじめスタッフ一同もこれには手を焼いたが、今後こういった不まじめな電話が減っていくことを願うしだいだ。
東京へのUFO目撃連絡のなかで主なものは次の通りだ。とくに調査に出かけなければならないほど、変わった事件はなく、その点は残念だった。
①佐賀県唐津市の相場さんが、昨年1月午前10時ごろ、銀色に輝く大きな円盤型物体を目撃、物体は1,2分間も滞空していたので、大勢の人が目撃したという。近くでテレビロケが行われていたが、ロケ隊は気付くのが遅く、撮影できなかったそうだ。
②伊豆半島東海岸の先端、爪木崎付近にある灯台公園管理人のSさんが、昨年12月17日午後4時すぎ、西南の海の海上に不思議な飛行物体を発見。肉眼で見ると、Uの字を横にした型をしていた。早速、カメラを持ち出して2枚撮影したという。至急その写真を送ってほしいと依頼したところ、数日後にモノクロのネガとキャビネのカラープリントが届いた。
キャビネ版に伸ばした写真を見ると物体は夕日に映えて桃色をしており、ドーナツを二つ重ねて一部を切り取ったような不思議な形をしていた。ジェット機の急旋回による飛行機雲の一種かとも考えられる。
③今年1月29日、午後5時から6時までの間の出来事。神奈川県は辻堂海岸付近の国道を、16歳の少年が友人と二人でドライブ中、海上にあった二つの光が一つに合体して、車に近づき、車のほぼ真上を通過して飛び去った。
その物体は、面は透明に近く、ワクはあるがグニャグニャした奇妙な形をしており、なんとも薄気味悪かったという。湘南海岸における異常物体の目撃はここ数年ひん発しており、私の友人などは、藤沢市の大清水海岸寄りにUFOの基地があるらしいといっている。今後、充分注意したい所だ。
④今年1月末の午後3時ごろ、横浜市本牧に住む若夫婦が、3個の明るい球体を発見した。球体はU字形編隊で5回出没している。したがって二人は、計15個の物体を見たことになる。
さらに変わったことには、両端のふくらんでいるいわゆる鉄アレイのような物体が、回転しながら北から南に向かって飛行していたということで、これだと東京都心から南方海上に抜けたことになる。奥さんはアメリカの大学でUFOの講義を受けたことがあるという。見当違いの可能性は、まずないとみていいだろう。
日本のUFO研究をアメリカの水準まで高めるには、今回の試みでも分かるように、UFO問題を取り巻く厳しい現実を見据え、努力と研さんをさらに積む必要があるのではないか。私はそう強く心に感じたものだ。(終わり)
参考文献 UFOこそわがロマン 荒井欣一自分史