日本初のUFO110番開設記「UFO報告はライブラリーへ」#4

s-UFO12UFO110番の応答を通じて感じたことの一つは、前述したとおり、一般市民の間には、UFOに対する根深い偏見があるということである。

とくに東北の山村地域でこの傾向が強く、長い間、自分の目撃を親兄弟、友人にも話していないという人が多かった。「UFO」という言葉を口にすることさえ危うくしている人が現実にいたことも、新発見であった。

電話を通じてまじめに聞いてもらったことで、非常に感謝している人もあり、なんとなく、彼らのストレス解消に役立った面があったようにも思ったものだ。

北海道の果て宗谷からも、また沖縄からも、UFO目撃の連絡が続々と入り、費用のかかる長距離電話で詳しく報告してきた人も少なくなかった。東京よりも、むしろ地方在住者からの電話が多かったことは特筆に値する。

なお、これまではUFOを目撃しても、どこへ報告していいのかわからなかったという人も相当数いた。新聞社とか天文台とか警察などへ連絡しても本気で取り合ってくれなくて困っていたという人もいる。そこで今後は、当ライブラリーあてに一報してくれることをお願いしておいた。

実は、東京天文台にも、しばしばUFOを見たという連絡が入るそうだが、担当者はUFOについての知識があまりなく、大変困ることが多いと聞いた。そこで私は東京天文台を訪れ、今後UFOについての報告が天文台に寄せられた場合は、すべて当ライブラリーに電話をかけ直してもらうよう頼んでおいた。

今後は、当ライブラリーで、東日本における目撃報告の集中化を図りたいと考えている。これから入ってくる情報の整理、調査に関しては、早急に対策を講ずるつもりだ。(つづく)

参考文献 UFOこそわがロマン 荒井欣一自分史

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