文壇の空飛ぶ円盤ファン(週刊新潮)

010301nori003-trans昭和33年5月5日付け「週刊新潮」の記事です。

「文壇の空飛ぶ円盤ファン」

大阪に空飛ぶ円盤を研究している同好グループ「近代宇宙協会」(代表者高梨純一氏)というのがあって、そこでは会員に「空飛ぶ円盤情報」という雑誌を発行しているが、最近の第八号によると、近ごろはだいぶ円盤ファンが増えたとのことだ。

有名人で円盤を見たという人には、すでに徳川夢声、森田たま、川田順氏などがあるが、さらにことし正月二日の晩、石原慎太郎氏が見たということで、いよいよにぎやか。

また三島由紀夫氏、黛敏郎氏らが円盤ファンで、東京にある日本空飛ぶ円盤研究会の会員なのも周知の事実で、正月三十日にアメリカから帰国した三島氏の話によると、彼の地でも円盤熱は盛んらしい。「円盤というと一笑に付して信じないのは日本人くらいのものらしく、アメリカではラジオの深夜放送に、ちゃんと「円盤の時間」というのがあり、ニューヨークに滞在中の猪熊弦一郎画伯なども毎晩欠かさず聞いていた」という。

ほかに北村小松、黒沼健の二作家が関心を持っているのはだいぶ久しい以前からだが、近ごろは、それに加えて幸田文さん、野間宏氏、高見順氏などまで興味を持ちだしたというから、人工衛星打ち上げに始まった宇宙ブームも、ずいぶんと発展したものですある。

参考文献 UFOこそわがロマン 荒井欣一自分史

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