10月26日夕、福島県上空を北から東に向かって発行物体が通過し、福島民友新聞社、福島地方気象台などには「UFOではないか」「飛行機が墜落したのでは」などの問い合わせが殺到した。
目撃者の福島市本内Aさんの話によれば「午後5時40分ごろ、北から東へ向かって光る物体が流れて行った。アセチレンガスのような赤っぽい尾を引いていた」また梁川中学校職員は「国見町上空から霊山町上空に向け、帯状の光を放ちながら約1分間流れて行った」と話している。ほかに保原町、白河市など県内各地で目撃者が相次いだ。
福島天文台同好会の観測、調査によると「北海道から南東に向かって約50~70㎞の上空を通過し、茨城県東方海上約200㎞地点の上空で燃えつきたようだ。イン石に比べると落下速度が極めて遅く、数個に分裂しているところから人工衛星が大気圏に突入し、燃え上がったものではないか」という。
航空自衛隊第27警戒群(滝根町)のレーダーでは、この飛行物体は確認されなかった。同隊の話によると、レーダーに映るのは金属物質だけで、イン石の場合は反応しないという。(1977年10月27日付、福島民友)
参考文献 UFOと宇宙 ユニバース出版社 昭和53年1月1日発行通巻第30号