司会 GSWのコンピュータ分析で、アダムスキーのUFO写真には糸で吊るした形跡があるということが発表されましたが、あれに関しては韮澤さんなんかどうお考えなんですか?
韮澤 いや、もう毎度、ああいうことはでてくるから、電気掃除器とか茶碗のフタだとかね、ボクらは別に大して問題にしてないんですよ。ただ、ボクもオランダ経由で入ってきたネガ、もちろんオリジナルじゃないと思いますが、そいつに光をあてる時間をかえて4段階ぐらいにわけて焼いてみたんですよ。そうすると、まあ、粒子が連なって、線らしきものがあるなといえばあるんですよ。
司会 それはちょっとまずいんじゃないですか、韮澤さんの実験した写真にも線らしきものがあるというのは…。
韮澤 まずいかねえ(笑)。ただGSWのコンピューターで線が出てる場所とちがうんだな、これが。だから、傷があるのが強調されて、線になったのかもしれない。というのは、似たような線らしきものが、いたるところにいっぱい出てるんでしょ。そのひとつが、たまたま吊るした糸のよにみえるというだけのことなんじゃないかなあ。
南山 コンピューターの分析といっても、いろんな問題があって100%は信頼できないことは確かでしょう。だけど、これまで人間の眼で判断してきたのを、機械の助けを借りて、ある基準のもとに、ある程度まで判定できるようになったことは、たいへん意味のあることだと思いますね。主観的な、十人十色といってもいい人間の五感による認識よりは客観的が増すわけですからね。そういう意味では、テキサスのオースチンで、レイ・スタンフォードのやってるPSI(プロジェクト・スターライト・インターナショナル)ですか、ああいった科学器材でUFOをキャッチしようという方向も注目に値しますね。
並木 ボクもこれからは、ああいう科学器材をそなえた管制センターのようなものをいくつか作って、ハードなデータを収集する時代じゃないかと思いますね。
荒井 あれはレーザーでメッセージを送るわけですか?
南山 ええ、UFOが出現したら、こちらで知的情報、たとえば相手が知的生物なら円周率くらいは知ってるだろう、ということで、レーザーを一種の搬送波として、そういう情報を送る、あるいは観測基地の航空写真の映像をレーザー波の機械は今のところ1台しかないけれども、シュミット・カメラを装備しているので、1度UFOをとらえると、後は自動的に追跡できるそうです。
並木 ああいう観測基地がもっとできればいいのですが、私の方は資金がないもんで、とりあえず、UFOのスペクトル写真をとろうというので、そういう機械を副会長の池田隆雄君が製作中なんですよ。これも観測体制をしいて偶然キャッチする以外にないんですが、世界で初めて試みなんですよ。うまく行けば、画期的なデータが得られたはずです。(つづく)
参考文献 UFOと宇宙 ユニバース出版社 昭和54年1月1日発行通巻第42号