1956年にはバック・ネルソンの「私の火星金星月への旅」というのが出ているが「金星人は神の12の法則によって生活しているので、軍隊だの、牢獄だの病院などはない」といっており、これまた結構な平和論になるのだがやはりタッセル以来、「接見派」に共通した観念論である。
例えばわれわれは、UFOが(それが宇宙から来るものならなおのこと)どういう推進力や機構をもっているかが、一番知りたい点だが、どの書でもその点は観念的で掴みどころがない。わが国で出ているロプサン・ランバのそのところを求めて見ても「引力を自動的に調査する極めて簡単な装置を見せて貰った。しかしこれを詳細に説明するためには余分の紙数がない」という。余分どころか、全部をその詳細な説明でうずめた方を、地球人のわれわれが読みたいのだ。
そこへゆくと、南米のディノ・クラスペドンは、数式や図解などを入れて「私の円盤との接見」という書物を1959年に出しているが、ここで注目しなければならないのは、そのことの始まりが1952年(つまりアダムスキー以前)があったということが一つ。もう一つは序文のなかで彼の友人が「西欧文学の新様式である宇宙のフィクションのつもりでソ連の友代へその本を送ったところ、ソ連科学アカデミーでは検討すべき何事かを掴んだようだ」としてソ連のチュグノフの受取りの手紙を挿入していることである。(つづく)
参考文献 日本空飛ぶ円盤研究会 UFO関係記事(マイクロ写真撮影資料の一部)スクラップ記事