光星ビルの建設とUFOライブラリーのオープン

s-荒井欣一氏TOmagazine品川区特集号の荒井欣一さんの記事をもう少し紹介します。

この空前の第二次UFOブームの中で、荒井のUFO人生も第二のピークを迎える。かつて質屋が存在し、古書店を営んだ五反田の土地に、5階建ての「光星ビル」を建設したのだ。さらにその5階には過去30年に渡って収集した、膨大な書籍と資料を展示する、世界初の「UFOライブラリー」をオープンしたのである。初日には行列をなす程の人々が集まり、NHKはじめマスコミも殺到。荒井の名は海外でも報じられた。そして、80年代には、アメリカでもUFO問題が再燃し、ロズウェル事件の新事実や、エリア51の暴露、MJ-12の発見など、新事件が続出。それを日本テレビのUFOディレクターこと矢追純一が特番で放送し、大ブームを巻き起こした。戦後から40年、かつて五反田の片隅でそっと語られた聞きなれぬ言葉は、いまや全国のお茶の間の話題にまで上り詰めたのである。世間はバブル景気に浮かれ、UFO、オカルトブームが席巻し、日本中が世紀末に向けて、奇妙な熱気の渦に包まれていた。

しかし、この空前のブームは唐突な形で終焉を迎える。きっかけは1995年3月21日、オウム真理教が引き起こした地下鉄サリン事件である。調査によりオウム真理教の施設では、疑似科学に基づいた修行や、超能力開発が日常的に行われていた事が判明。教団はノストラダムスの世紀末予言や、ニューエイジ系出版物の理論を教義に援用し、信者を洗脳したと報道された。

もっともUFOや宇宙人は表面的にはオウム事件とは無関係であり、この時、CBA事件を思い出した者さえ少なかっただろう。しかし、オウム事件の2年後、今度はアメリカでヘヴンズ・ゲート事件が起こると、世間ではUFOも超能力も大予言も等しく「いかがわしいもの」として、人々は眉をひそめた。サリン事件とほぼ同時期、荒井はビルの3階に新たに「UFOショールーム」をオープンしたが、訪問者は少なく、「オウムが強調する超能力とUFOが、混同されているみたいですね。」と、週刊朝日のインタビューで残念そうに語っている。

参考文献 TOmagazine品川区特集号

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