空を見上げていた男(TOmagazine品川特集号記事)

s-002以前、TOmagazineという雑誌の取材があったと記事を書きましたが、その雑誌が発売になりました。内容は、東京五反田の特集で、五反田に住んでいたUFO研究家の荒井欣一さんのことを記事にしたというわけです。

ムー編集長の三上丈晴さんに対する荒井さんについてのインタビュー記事が掲載されていますので、一部紹介します。

「荒井さんの光星ビルがあったのは、東五反田ですね。私もずいぶんお世話になりましたよ。初めてお会いしたのはムーに入ってからだけど、もちろん子供の頃から知ってました。」

2014年7月某日、私は五反田に位置する学研ビルのムー編集部にいた。1979年に創刊された月刊ムーは今年で創刊35年を迎える、日本ではほぼ唯一のオカルト専門誌である。しかし編集部はオカルトという言葉の薄暗い雰囲気とはほど遠い、五反田を一望するモダンな高層ビルの中にある。編集部の三上丈晴は続けた。

「荒井さん、軍人あがりだから本当に凄いんですよ。例えばUFOがレーダーに映ったってなるでしょ。そしたらパラボラアンテナの回転数が大体このくらいだから、その間に物体が動いた距離はこのくらいのはずだ、っていう風にもう厳密に計算するわけですよ。今のUFO研究家とは全然レベルが違う。とっても真面目な方だったから、冗談でUFOをちゃかすようなことを言ったら、怒られたりなんかしてね(笑)。荒井さんはいつもビシッとしてましたね。本当に紳士な方だった。」

古くから交通の要衝として栄え、今日もソニーや日立製作所、キャノンといった国際企業が立ち並ぶ品川。戦後の焼け野原から高度経済成長時代、そしてパブルへと至る復興の激動時代の中心にあったこの商業の街で、人々はより良いもの、より良い生活を求めて仕事に邁進し、急ぎ足で駆け抜けてきた。しかしそんな激流の真っただ中で、ただ独り立ち止まって、空に見上げていた男がいた。やがてその男の周りには人だかりが生まれ、彼らも同じように空を見上げ始める。その中心にいた男の名を、荒井欣一という。

参考文献 TOmagazine品川区特集号

Share Button