美しい星

平成29年5月26日から、原作三島由紀夫氏、リリーフランキー氏主演で映画「美しい星」が上映されるようです。

三島由紀夫氏は、NHKの番組「みちたん~ああ!すばらしきセカイ~」でも紹介していただいたとおり、UFO研究家荒井欣一氏が主宰した日本空飛ぶ円盤研究会の会員で、会員番号は12番でした。

宇宙人を主人公にした「美しい星」というこの小説は、「仮面の告白」「午後の曳航」「豊饒の海」などの代表作の陰に隠れ、あまり目立ちませんが、唯一のSFチックな作品で、昭和37年に月刊誌に連載された長編小説です。

三島氏が37歳の作品でした。

あらすじを説明しますと、埼玉県飯能市に住む資産家一家4人が円盤を目撃したことから、自分たちが宇宙人だったことに気づきます。さらに、人類を核戦争などの破壊から救うため平和運動に邁進します。これに対し、地球破滅を目指す別の宇宙人グループが登場し、資産家一家の父親(火星人)とこのグループで人類の救済をめぐり激しい論争を展開するというものです。

三島氏が日本空飛ぶ円盤研究会に入会したのは、同研究会が発足した昭和30年7月から約1年後。三島氏が32歳の時です。

昭和32年6月8日には、日活ホテル(現日比谷パークホテル)屋上でUFO観測会に三島由紀夫氏も参加したりするなど、三島氏は、熱心な会員だったと言われていました。

小説では、ソ連のフルシチョフ共産党第一書記に核実験を止めるよう嘆願する手紙を書いたりするのですが、日本空飛ぶ円盤研究会は、実際に、昭和32年、ソ連が原爆を積んだロケットを月に命中させるという噂が外電で広く報道され、この時「月ロケット発射に関する要望」という声明書をソ連大使に手渡して、月にUFO基地がある可能性を訴えていることから、この小説は、多分に同研究会に影響された作品だと考えています。

映画「美しい星」の内容も気になりますが、映画共々「UFOふれあい館」も御利用ください。

参考文献 UFOこそわがロマン 荒井欣一自分史

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いなくなった宇宙人

ある日の午後、UFO物産館で働くU子は、食堂のお昼の慌ただしさを終えて、お客様がいなくなった合間をみて、UFO物産館内にあるお土産店で商品の品出しを始めました。

バックルームから宇宙食やポテトチップスなどのお菓子類を出してきて、これらの商品に値段を付けようとU子は、今、手にハンドラベラーを持っています。

商品の値段とハンドラベラーの数字を合わせ、カチャカチャカチャと値付けをしていきます。U子は以前コンビニでバイトをしていた経験があることから、ハンドラベラーの使い方は神業です。

息もつかせぬ早業でカチャカチャカチャと値付けをして、U子が一息ついたとき、UFO物産館の有線から逃げ恥の恋が流れてきました。

U子は、今、ハンドラベラーを持ったまま、胸の前で手を交差させたりして、誰もいないUFO物産館で大声で歌いながら踊っています。気分はもう石田ゆり子です。

その音楽が終わりかけたとき、U子は、ある商品棚に商品がないことに気づきました。それは、「エイリアンキーチェーン」というキーホルダーでした。

このキーホルダーは、UFO物産館では「NO UFO,NO LIFE.」Tシャツをしのぐ人気商品で、ゴールデンウィークで完売してしまった模様です。U子は発注が間に合わなかったことを悩んでいました。

そうこうしていると、一人の女性が来店しました。

「いらっしゃいませ」

女性はお土産店で何かを探している様子です。

「すみませんが、宇宙人の形をしたキーホルダーこちらで売ってませんでしたか。」

その時、U子は、ちびまる子ちゃんが青ざめた時とかに目の下に縦線が入ったりしたような顔になって、

「も、申し訳ありませんが、そのキーホルダーは品切れなんです。」と言いました。

その後、U子は、速やかに業者にキーホルダーを発注しました。悩みがなくなったU子は、気分も新たに仕事をするのでした。

登場人物はフィクションです。

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