研究会設立の機、熟す #2

s-荒井欣一これは1952年3月と12月、それに、1953年の1月に発生した事件で、この件についてコメントを求められた「東京天文台」は、通常なら否定的見解を示すはずなのに、「今度の場合、目撃時間といい、光の模様や色といい、天文学的現象ではなさそうだ。かといってその正体は、と聞かれても写真を撮ったり、詳しいデータがない限りなんとも判定することはできない」としている。

この事件はUFOがレーダーでも補足されており、私にとって非常に興味深いものだった。

さらにUFOに関心を持つ初心者にとって、非常に興味とショックを与える、ジョージ・アダムスキーとデスモンド・レスリーの共著「空飛ぶ円盤着陸す」(邦題・空飛ぶ円盤実見記)という本が「高文社」から発刊されてベストセラーとなった。

この本には非常に鮮明な空飛ぶ円盤の写真が掲載されていたことや、さらにアダムスキーによる金星人との想像を絶する会見記に魅了されてか、その体験を信じて、いまだにこのアダムスキー信奉する人たちが多くいる。

しかし、この会見記の内容たるや、科学的な実証性に乏しく、とても信用し難いものだった。

その後、英国から有力な実在論が伝えられてきた。

それは同国の高官である元空軍戦闘機部隊司令官、空軍大将C・T・ダウンディング卿の、「空飛ぶ円盤は実在し、他の天体から飛来する」という主張で、円盤現象のいろいろな事態を科学的かつ、冷静に推論したもので、当時としては、画期的な意見であった。その他、米国ではドナルド・キーホー元海軍少佐の「空飛ぶ円盤は他の惑星から飛来する」という仮説や、ドイツの世界的なロケット学者ヘルマン・オーベルト博士の「円盤=宇宙機説」の発表など、世界は大きく動き始めてきた。そして英国では、UFOの専門誌「フライング・ソーサー・レビュー」も刊行された。(終わり)

参考文献 UFOこそわがロマン 荒井欣一自分史 2000年11月発行 12頁

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