UFOその現状と展望(信念と科学のはざまで…) #11

s-荒井欣一氏南山 それはね、科学者の中にも天地創造説を信じてる人もいますしキリストの復活を信じてる人もいますよ、外国には。ただ、それは信念の問題でね。じゃあ、その信念を科学者に何かを根拠に証明できるかといえばできないでしょう。そういう意味では、科学者の中にアダムスキーを信じてる人はいるかもしれない。だからといって、アダムスキーのいうことが、科学の検証に耐えうるということにはならないんですよ。

でも、ひるがえって考えれば韮澤さんのおっしゃること、ボクはよくわかるんですよ。ボクもいろんな人、否定論者にも会ってね、いろいろと説得しようと思うわけね。ところが実際にやってみると、ひと当たり全部こっちの言い分を聞いたあとね、それでもやはり信じられないっていうんですな。だけど信じる人はまるで説得する必要がないわけ。初めから信じない人はいくらいってもダメなんですね。なんていうか、壁みたいなものを感じることがあります。

それで考えたんだけど、やはり信念の問題みたいなことがあって、つまりボクはなるべく客観的に冷静にと思ってるけれど、だけど実際にはUFOの実体を信じたい、という心理があるのは確かなんですよ。だからね、そうするとボクもやはり自分たちの説明に都合のいい所だけ取ってるのかもしれない。ちょっとそういう点では、あるいは韮澤さんなんかとあんまり変わらないじゃないかと思うことはありますよ。

韮澤さんは信念のことを語ってると思うんだけど、結果的にはボクらも自分の信念で、ただ科学的と称する範囲でね、やってる、そういう気がフトすることもありますね。(終わり)

参考文献 UFOと宇宙 ユニバース出版社 昭和54年1月1日発行通巻第42号

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