最近は啓蒙が行き届いたためか、例の白龍神事件以外ではほとんど見かけないようになったが、ライティングライツと称する星や電燈のブレも代表的な誤認写真の一つである。
これらは、メカニズムといっても、ただカメラが振れるだけのことだが、一番の問題点はブレの起こるときについての認識の甘さといえる。
かつて調査した多くの人が、カメラを三脚に固定し、レリーズを使っていればブレは起きないと思っていたが、これは大間違いだ。
ガッシリした三脚を、しっかりとした足場に固定してなければブレは起きる。特に、三脚を使う夜間撮影のときは微妙なブレでも目立つものである。また、風の吹いているとき、木などで組んだベランダや展望台での撮影などでは、0コンマ何ミリといった幅のブレが生じる。コンマ何ミリになると風景による判定は不可能だが、大抵は風景がブレているか否かで判定する。鳥などが突然画面に侵入してもブレるが、この場合は羽根や大きさなどがポイントになる。
コンマ何ミリのブレのときは、昼間の風景なら大して気にはならないが、夜の星や人工衛星、飛行機を撮ったときには、いかにも波状飛行しているUFOらしく見えて気にかかる。しかし、この場合は一緒に写っている星や街燈を見れば、容易に判定できる。つまり、カメラ全体が動いているのだから、他の星なども同様に動きブレているはずなのだ。よくコンタクト派の会誌にいくつもの光点が同じ光跡を残している。ライティングライツの写真が出ているが、これなどはすべて星がブレたものである。
また、ブレの起こす効果を一つ説明しておこう。本誌1、2月号に掲載された白龍神についてである。白龍写真には奇妙に蛇行する光の点滅が写っているが、これは交流電球が画面に入ってブレ、明滅が写ってしまったものである。シャッターの開いていた時間が正確に分かれば、この点滅の数を数えても、誤認写真を判定することはできる。
参考文献 UFOと宇宙 ユニバース出版社 昭和58年5月1日発行通巻第94号 67頁