意外な結果がもたらされた

010701sonota373-trans10月29日、松下技師より二回目に提出した金属片について結果が解った旨の電話が入ったので、さっそく「工業奨励館」を訪れた。

松下氏はいろいろな角度から実験を繰り返した結果、概略すると次の三点が判明したという。

1 分光分析の結果、鉛が検出されたのは、アルミ箔に薄く付着していたビニール状の皮膜内に鉛が発見され、黒く粒状に多数点在しており、アルミの中にはなかった。

2 アルミ箔の片側には簡単な有機染料が塗布してあった。

3 ふつうビニールなどの中に鉛が混入する場合は、完全に溶けて透明になるはずであるし、ごく微量ではあるが高価なバナジウムやニッケルが検出されたが、これはあまり類例を見ない。

以上のような結果が出たが、同氏は何故、金属片にこの様な工作を講じなければならないのかと、またこの製品の利用方法についても疑問を投げかけていた。私はこれらの結果を踏まえて、再び多方面にわたって追跡の手を延ばすことになる。

一般の人は、レーダー関係のものではないかと思われるかもしれない。もちろんその点も考えたが、冒頭に触れたように、戦時中、レーダーの整備に携わっていた関係上、簡単にそれを認めるわけにはいかなかった。

参考文献 UFOこそわがロマン 荒井欣一自分史 2000年11月3日発行 発行人 荒井欣一 19頁

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