日本初のUFO110番開設記「開設の目的」#1

s-UFO121981年「UFOと宇宙」6月号に掲載されたものです。(UFOライブラリー代表 荒井欣一)

去る1981年3月21日と22日の2日間にわたって「UFO110番」を開設した。これは一般の人からUFOに関するあらゆる疑問、目撃、体験などを電話で受けつけ、待機中のスタッフが応答するという日本初の試みである。

東京のUFOライブラリーを中心に北は札幌から南は沖縄まで、全国主要都市にある14の研究団体が連携態勢をとった結果、2日間の電話件数は全国合計で400件近くにのぼり、東京では2日間で130件、前後10日間で約300件を数えた。

こうした多大な反響を得たことは、この企画が一応成功したとみているが、反面、準備不足、連絡不足、PR不足など問題点も多かった。

私の場合を例にとっても、この日のために整備しておいたかなりの量の資料を、まったくといっていいほど役立てる機会がなかったのだ。

UFO110番構想は、当ライブラリー建設以前からの計画だったが、開館後の諸資料整備などに時間がかかり、結局今回の実施まで約1年半ほど経過してしまった。

この企画の目的の第一は情報収集にあるが、同時に、この機会に一人でも多くの人がUFOに対する誤解や偏見を捨ててUFOを正しく理解してほしいと願いもあった。

かつて私は、UFO目撃者から「UFOについて話すと、バカにされたり、精神状態が疑われたり、子供っぽいと非難されたり、果ては気違い扱いされるのがこわくて、目撃したことを誰にも話していませんでした」といった内容の電話をたびたび受けていたのである。

いまだ、UFOへの無理解者が多いことを、身をもって知っている私としては、UFO110番を通して、できるだけ大勢の人と、諸外国のUFO事件などを話し合いながら、UFOへの関心を今後も持ち続けていくよう強く呼びかけていくつもりだ。

UFOライブラリーにも、小学生を含めて若い人たちからは、ごく初歩的な質問が多く寄せられている。(つづく)

参考文献 UFOこそわがロマン 荒井欣一自分史

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