空飛ぶ円盤を拾った少年の話(遠藤周作さん) #1

s-UFO11昭和49年4月6号「ノンノン」に遠藤周作さん(作家)が連載した内容の一部です。介良村を化良と原文のまま記載しています。

このあいだ、ぼんやりテレビを見ていたら、「空飛ぶ円盤の話」ってのをやっていたんです。そこで空飛ぶ円盤を拾った少年が実際にいて、それが一人じゃなく、なんと10人もいるということなんです。

それを見ていたぼくの心には、突然好奇心がムラムラ湧き上がって、抑えがたい衝動をおぼえ、すぐに飛行機を手配して、その少年達がいる高知の化良という町へ駆けつけましてね。まえもってぼくが行くと連絡しておいたから、その少年達が自転車に乗って出迎えて来てくれたんです。

彼らは化良中学の生徒でしてね。その中学生のひとりが家で、ぼくはいろいろ話を聞いたんだけど、これが世にも不思議な物語なんだなあ。

彼らの話を聞いていると、あまりにも突飛で、最初は彼らがウソをついているのではないが、集団催眠術にかかっているのではないかと思っていたんですよ。ところが彼らの顔を見ていると真剣そのもので、ウソをついている気配はまったくないんですね。とにかく信じざるを得ないような感じなんだな。

それは一昨年の11月のある日、化良の町の上空でキラキラ光るものが見えたのに始まったというのです。

雲の影とか飛行機なんかを円盤と見間違えた例なんてのはザラにあるので、その物体が円盤だと断定することはできないと思うんです。ところがおもしろいのはそのあとで、ある日、化良中学の生徒のひとりが田圃のあぜ道を歩いていると、直径10センチくらいの、ちょうど麦わら帽子のような形をしたものが、田圃の上をフワフワ浮いているのを見たというんだな。

それで彼はびっくりして家に戻り、兄貴に知らせたというわけ。(つづく)

参考文献 日本空飛ぶ円盤研究会 UFO関係記事(マイクロ写真撮影資料の一部)スクラップ記事

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